2020-05-19 New book has published!

『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』が上梓されました。

当事者から、異議を申し立てます——1990年代、女性写真家たちを中心に生まれた大きな写真の潮流は、「女の子写真」と揶揄的に呼ばれた。「技術的につたない」「半径5メートル以内しかない視野の狭さ」などの言葉とともに、彼女たちを若さのうちに葬り去ろうとする論客たちの言説を振り返り、ジェンダーの視点から検証する。撮る・撮られる側の非対称性、撮影することの暴力性に、女性たちはどう向き合ったか。ジェンダーで区別され、勝手に代弁されてきた自分たちの表現を、取り戻すための丹念な仕事。「本書は、写真を撮ることや、見ることが好きな全ての人々に向けて書かれている。わたしたちの持ってしかるべき自尊心が、特定のジェンダーだからという理由で傷つくことがもう無いように」。(本文より)四六判・412ページ・上製本
(大福書林HPより引用)

 

大福書林HP
https://daifukushorin.stores.jp/items/5e19f486da89641f49617170

2019-07-03 Yurie Nagashima x Kei Takemura; Now⇄Then @ The Museum of Modern Art,Gunma

長島有里枝×竹村京
「まえといま」

 
長島有里枝(1973-)はデビュー以来身近な人をモデルや協働者に、社会における家族や女性のあり方を問う作品を発表し続け、2001年には第26回木村伊兵衛写真賞を受賞。文章の執筆や映像、立体作品の制作など、現在はジャンルを超えた活動をおこなっています。長島の母方の祖父母は群馬県高崎市出身で、短編集『背中の記憶』(2009年、講談社)には高崎の親戚の家で過ごした幼少期のエピソードや、大好きだった祖母の記憶が鮮やかに綴られています。長島はこれまでもその祖母が撮った古い花の写真を作品のモチーフにしてきましたが、本展では祖父母の遺品を使った新作も加え、家族それぞれが生きた時間と自らの現在を接続させます。

 

竹村京(1975-)は2000年ドイツ、ベルリンに留学し、2006年にはシドニー・ビエンナーレに出品するなど同地を拠点に世界各地で活動を展開。写真やドローイングの上に刺繍を施した布を重ねた作品によって、失われたものの存在やその記憶をとらえています。2015年に帰国して高崎に居を構えた竹村にとっても、家族とそれにまつわる記憶は制作の重要なテーマです。今回は東京の実家の取り壊しと両親の高崎への移住を機に、東京と高崎、過去と現在をオーバーラップさせ、群馬で生み出された最新の絹糸も用いて記憶や時間の作品化を試みます。それぞれ第一線で活躍する同世代の2人の作家の「まえ」と「いま」が高崎の地で交差し、個々の物語を超えて広がります。
 
会期|2019年7月13日[土]~9月1日[日]午前9時30分~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日|毎週月曜日(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
会場|群馬県立近代美術館 展示室1
 
オープニング・パフォーマンス
竹村京「Curtain for Opening」
7月13日(土) 14:30~
ゲスト・パフォーマー: 安藤洋子(ダンサー)
会場:当館1階 ギャラリー [観覧無料・申込不要]
 
アーティスト・トーク 長島有里枝×竹村京
8月25日(日) 14:00~15:30
会場:当館2階 講堂
定員:200名(先着順) [聴講無料・申込不要]
 
学芸員による作品解説会
開催日時:7月24日(水)、8月10日(土)
各日14:00~15:00 [要観覧料・申込不要]
 
ワークショップ
1.竹村京「あなたの大事な、壊れてしまったものについて」
8月4日(日) 13:00~16:00
対象:小学4年生~一般
2.長島有里枝「拾ったもの、大切なものを日光写真に撮ろう」
8月18日(日) 13:00~16:00
対象:小学生~一般(小学3年生以下は保護者同伴)
会場:当館2階 アトリエ
定員:各20名 [参加無料・要申込]
 
http://mmag.pref.gunma.jp/

2019-02-09 Talk | Junko Sakai ✕ Yurie Nagashima 2019-2-9 @ AOYAMA BOOK CENTER

『次の人、どうぞ!』(講談社) 刊行記念

「次の時代、女性はどう生きる?」
酒井順子 × 長島有里枝トークイベント

 

平成という時代の終わりに、平成を代表する歌姫が引退し、各分野で「#MeToo」運動が事態を動かし、女性たちが自らの生き方に区切りをつけ、声をあげるようになってきました。とはいえ、医学部受験における女性差別が明らかになったり、2018年12月に発表された男女格差の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数」が149カ国中110位だったりと、日本の女性たちが置かれた立場は、まだ低いと言わざるを得ない状況です。
 
『負け犬の遠吠え』から15年、身近に起こっている事象を常にユーモアと毒で鋭く切り取ってきた酒井順子さんは、最新エッセイ『次の人、どうぞ!』で、時代が移り変わる今の日本に生きる女性たちの姿を、身近な題材を手がかりに、鋭く温かく考察しています。写真家として家族や女性をテーマにした作品を発表し、『背中の記憶』で講談社エッセイ賞を受賞するなど書き手としても活躍する長島有里枝さんを対談相手にお迎えして、時代の転換期を迎えた日本女性の生き方について、じっくり語り合っていただきます。
 

日程|2019年2月9日 (土)
時間|14:00~15:30
会場|青山ブックセンター本店 大教室

2019-01-26 The flower named in an unknown word The landscape not in my memory The book that can not be read by my fingers 2019-1-26 – 2-24 @ YOKOHAMA CIVIC ART GALLERY AZAMINO

あざみ野フォト・アニュアル 長島有里枝展

知らない言葉の花の名前
記憶にない風景
わたしの指には読めない本

 

現代の写真表現を紹介するシリーズ「あざみ野フォト・アニュアル」2018年度の企画展は、長島有里枝の個展を開催します。
本展の構想は、2008年8月から2009年7月にわたって文芸雑誌『群像』に連載され、2009年に単行本化された短編集『背中の記憶』を起点としています。四世代にわたる家族の記憶を丹念に拾い上げたこの自伝的作品では、自身の幼少時代の記憶を基にした物語が生き生きと語られ、随所でカメラのレンズがフォーカスを合わせるように、写真的イメージを想起させます。
この展覧会は、『背中の記憶』の通読に応じてくださったある全盲の女性との対話から得たインスピレーション、長島が常々写真表現に感じているいくつかの疑問点等をコンセプトの中心に据え、近作や未発表作、インスタレーション作品により構成されます。「写真」と「テキスト」を従来とは異なる関係性において捉えようとする意欲的な試みとなります。本展における「写真」と「テキスト」は、それぞれが補完しあうものとしてではなく、一つの契機を共有する、異なる自立した表現として立ち現れることでしょう。
 
2019年1月26日(土)~2月24日(日)※1月28日(月)休館
10:00-18:00 入場無料
横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1

 
[関連イベント]
アーティスト・トーク *定員に達したため参加申込受付終了

1月26日(土)14:00~15:30

出 演|長島有里枝(出品作家/写真家)
ゲスト|半田こづえ(本展協力者/美術鑑賞研究)
会 場|3階 アトリエ
定 員|80名程度
※参加無料、要事前申込(先着順)
※保育あり
 
対談「言葉の力とその限界」*定員に達したため参加申込受付終了

2月23日(土)15:00~16:30

出 演|長島有里枝(出品作家/写真家)、少年アヤ(エッセイスト)
会 場|3階 アトリエ
定 員|80名程度
※参加無料、要事前申込(先着順)
※保育あり
 
アートなピクニック―視覚に障がいがある人とない人が共に楽しむ鑑賞会

2月9日(土)14:00~16:00

スタッフや参加者同士の会話を通して展示作品を楽しみながら鑑賞するツアーです。障がいの有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけます。

会 場|展示室1
定 員|10名
電話・HP・直接来館にて先着順受付中
※参加無料、要事前申込
※最寄のあざみ野駅までお迎えが必要な方は申込時にご相談ください。
※保育あり
 
学芸員によるギャラリートーク

2月10日(日)14:00~14:30

会 場|展示室1
※参加無料、申込不要(直接会場にお越しください)

 
横浜市民ギャラリーあざみ野

2018-11-03 To Create, To Bring Up … as a Mother, as an Artist. Yurie Nagashima 2018-11-3 – 2019-1-31 @ CHIHIRO ART MUSEUM TOKYO

作家で、母で つくる そだてる
長島有里枝

 

記憶や身近な人との関係性を手がかりに、自身のライフストーリーや社会の陰に隠れてきた女性の創造性に光をあてる作品を制作してきた長島有里枝。その視点はいわさきちひろの作品と響きあいます。女性に課せられる規範と折り合いをつけながら表現をおこなうふたりの生き方が交差します。既成の価値観に疑問を呈し、アートを通じてゆさぶり続ける長島とのコラボレーションにより、ちひろ作品の魅力が解き放たれます。
 
会期|2018/11/03(土) ~ 2019/01/31(木)
会場|ちひろ美術館・東京
〒177-0042 東京都練馬区下石神井4-7-2
TEL.03-3995-0612

 

いわさきちひろ生誕100年特設サイト

2018-03-09 Artworld Talk | Feminist Aesthetics? 2018-3-30 @ Hong Kong Convention and Exhibition Centre

Artworld Talk | Feminist Aesthetics?: Movements and Manifestations

Fri 30 Mar, 2018 5pm – 6:30pm
Hong Kong Convention and Exhibition Centre
(Room N101B 1 Harbour Road Hong Kong 33139, Hong Kong, SAR)
 
Organized by Art Basel
 
Artists and academics reflect on how gender politics play out in art when the frame of reference is expanded to consider the different ways that feminist practices have developed in different contexts. Do concerns change or are the challenges the same?
 
Frida Kahlo and Käthe Kollwitz, Artists, Guerrilla Girls; Yurie Nagashima, Artist, Tokyo; Nilima Sheikh, Artist, New Delhi; Yu Hong, Artist, Beijing
 
Moderators: John Tain, Head of Research, Asia Art Archive, Hong Kong; and Dr. Yeewan Koon, Associate Professor of the Fine Arts Department, University of Hong Kong, Hong Kong
 
https://www.artbasel.com/events/detail/6716/Artworld-Talk-Feminist-Aesthetics-Movements-and-Manifestations?openTime=2916

2018-03-08 Talk event | Forever (and again) 2018-3-11 @ IZU PHOTO MUSEUM

「永遠に、そしてふたたび」展関連トークイベント

 

3月11日(日)川内倫子 × 長島有里枝

時間:各回14:30—16:00
場所:クレマチスの丘ホール(美術館より徒歩2分)
料金:当日有効の入館券のみ必要です。
定員:各回150名、先着順
参加方法:お電話にてお申し込みください。
クレマチスの丘コミュニケーションセンター Tel. 055-989-8780(水曜休)
 
http://www.izuphoto-museum.jp/event/256504450.html

2018-01-17 Switch Interview 2018-1-20 on ETV

SWITCHインタビュー 達人達「水原希子×長島有里枝」(再放送)

 
モデル、女優として女性を中心に支持されている水原希子と、家族や女性のあり方について問い続ける写真家長島有里枝がトーク。偽りのない表現の可能性について語り合う。
 
10代のころからモデルとして活躍してきた水原。自分らしさをいかに出すか模索してきた。多くのフォロワーがいるインスタグラムでも、時に誤解を受けることもありながらリアルな自分を伝えようと発信している。そんな水原にとって自分、家族、仲間と身近な存在を題材にして、イメージやフィクションに縛られない姿を切り取ろうとする長島は刺激的な存在。被写体とフェアな関係でありたいという長島の発言に共鳴する。
 
【出演】モデル・女優…水原希子,写真家…長島有里枝 【語り】吉田羊,六角精児
 
http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2018-01-19/31/10655/2037168/

2018-01-14 Forever (and again) 2018-1-14 – 7-6 @ IZU PHOTO MUSEUM

永遠に、そしてふたたび

 

この度IZU PHOTO MUSEUMでは、当館のコレクション作品を中心とした企画展「永遠に、そしてふたたび」を開催いたします。私たちは日々、多くの人と出会い、ときに死をもって離別します。ひとりの生や死にかかわらず連綿と続く時間の流れに、私たちは抗うことができず無力感を抱くかもしれません。しかし人の心の奥底に深く刻まれた記憶は、ひとつの生命が途絶えても、残された人々に受け継がれ、新たな意味をもたらされながらふたたび生き続けます。流れ続ける時間のある一瞬の出来事をとらえる写真は、過去の集積を写し出し、記憶としての物語を観者にふたたび想起させるものでもあります。横溝静、野口里佳、川内倫子、長島有里枝、テリ・ワイフェンバックの5名の現代作家による作品は、時間と記憶のつながりや永続性について思考する手がかりを私たちに与えてくれることでしょう。

 

IZU PHOTO MUSEUM

2017-11-21 Forever is Composed of Nows 2017-11-21 – 12-22 @ MAHO KUBOTA GALLERY

長島有里枝&ミヨ・スティーブンス-ガンダーラ
Forever is Composed of Nows

 

MAHO KUBOTA GALLERYでは11月21日より 長島有里枝とミヨ・スティーブンス-ガンダーラの二人のアーティストによる展覧会「Forever is Composed of Nows」を開催いたします。

東京都写真美術館で開催中の個展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々(And a Pinch of Irony with a Hint of Love.)」にて、アーティストとしてのスタートを決定付けた初期の作品群から、今後の飛躍を感じさせる新作までを一挙に展示し、スケールの大きな創作活動への再評価を確実にした長島有里枝。 彼女のアーティストデビューは1993年、20歳の時、若手アーティストを発掘する公募展で重要な賞を受賞したことがきっかけでした。 翌年パルコギャラリーでアメリカのアーティスト、キャサリン・オピーと2人展を開催した長島は武蔵野美術大学卒業後まもなく渡米し、カリフォルニアのCalArts (カルフォルニア芸術大学) の修士課程にて学ぶこととなります。長島がCalArtsでの2年目に入った1998年にミヨ・スティーブンス-ガンダーラと長島は大学の講評会の場で初めて出会いました。すぐお互いに惹かれるものを感じた二人は、以来20年近くに渡って互いにアートに関わる友人同士として交流を深めてゆくこととなります。

本展のアイディアはそんな二人の閃きからスタートしました。
20代のある時期をカリフォルニアで過ごし、互いにライオット・ガール・ムーヴメントに多分に影響を受けた二人は、その後アメリカと日本という異なる場所を拠点としながらそれぞれにアート表現の可能性に挑み続けてきました。初期の頃から家族に象徴される、自己と他者との関係性に目を向け、同時に表現者としての女性の問題に着目してきた長島が次第にその興味を「女性のライフコース」に向けていく一方、ミヨはロサンジェルスのリオホンド大学で教鞭をとりながら、フェミニズムやアイデンティティ、そして環境破壊の問題を主なテーマにして制作を続けています。

今回の展覧会では二人の創作上の起点を感じさせる作品と、現在およびこれからの表現上の可能性を指し示す作品を展示いたします。

長島の初期作品としては、渡米中の1997年に制作したスケートボードの作品を展示します。スケートボードに乳剤を塗布し、直接写真を焼き付けたミクストメディアの作品5点が展示される予定です。あわせて新作として、ここ数年のうち、アメリカの各地でカメラにおさめた植物の写真を初めて発表いたします。

ミヨは2016年より取り組んでいる「Wunderkammer (脅異の部屋)」の写真シリーズを日本では初めて発表するほか、自身の幼年期と密接に結びつくインディアナ州やケンタッキー州の風景を収めた「The Wilderness of Childhood (幼年期の荒野)」のシリーズから印象的な1点の写真作品を展示いたします。

あわせて写真作品以外に、「In Mourning(喪に服して)」と題された刺繍によるドローイングの作品も発表いたします。

いずれの作品もそれぞれのアーティストの毎日の洞察や思索の積み重ねである一方で彼女たちが生きてきたこの20数年の世界の移り変わりの激しさや様々な課題を多分に映し出しているように見えます。近年の二人の作品に共通することとして、加速する世の中の激流から距離をとり、独立した精神の場に自らを置き、けして状況に押し流されることなくじっくりと時間をかけて自らの表現方法と向きあう真摯な制作手法をとっていることが感じられます。なお、展覧会のタイトル「Forever is Composed of Nows」は19世紀のアメリカの詩人、エミリー・ディキンソンの作品から引用されています。

 

MAHO KUBOTA GALLERY